vol.86
April 7, 2022
ブロンズ作品「Tiger’s hearts」の木彫原型制作の様子です。
目に光が入ったとたん作品に血が通う、何度やってもその瞬間はこの生業の醍醐味です。
二重円光の調整が終わり、漆下地を施しこのあと彩色に入ります。今回、各箇所にステンレスパーツやネジ類を使用しています。
賛否あるかと思いますが「当時ステンレスがあったなら運慶も使っていたでしょう」という大塚ご住職の柔軟なご判断で使用許可を頂いております。
本尊背後の二重円光の取り付け位置について、図面上の想定だけでなく実際に御堂にお納めした際にパースがついても最適な位置にくるよう、
あれこれギミックを考えています。
完全版大日如来坐像プロジェクトに合わせ、お堂も補修および改築を致します。文化財規制の中でどこまでドラマチックな空間を創れるか、
成瀬猪熊建築設計事務所の皆さんがそのシミュレーションのVRを作成してくださいました。
「淀みないライン」に固執するのは自身の癖(へき)なのかもしれません。それでも、無数の淀みなきラインが淀みなく繋がってくることで今にも動き出しそうな生命感に繋がってゆくのだと信じています。