光たちの肖像

August 13, 2017

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

8月16日(水)より、日本橋三越本店 本館6階 美術サロンにて『大森暁生展 光たちの肖像 ー熊本市動物愛護センター2017年取材記録ー』を開催いたします。

 

本年唯一の新作個展となります。

新作木彫数点と共に、近年のブロンズ作品数点と合わせ展示致します。

 

お盆真っ只中ではございますが、都内にお越しの折りには是非お立ち寄り下さいませ。

 

 

 

彫刻家 大森暁生

 

 

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また行ってみたい

 

 

 2011年、熊本市動物愛護センターを取材し、そこに保護されている犬や猫達の姿をありのままに彫刻として記録した個展『光たちの肖像』を、日本橋三越本店にて開催いたしました。

 

 当時、全国各地の“動物愛護センター”と呼ばれる施設のその名称とは裏腹な年間30数万頭と言われる殺処分の現実に愕然とし、けれどその中で、類い希な「殺処分ゼロ」の目標を掲げ取り組まれている熊本市動物愛護センターの存在を知り、興味と勇気と覚悟を持って取材に伺いました。

 

 「そこに生きる犬や猫達を見たとき、いったい自分はどんな気持ちになるのだろう」

 

今まで味わったことのない緊張を持って臨んだことを覚えています。

ところがそこで見たものは、肩透かしをくらったような、とてもキレイで気持ちの良い、澄んだ空気でした。

もちろん、さまざまなツラい状況を経てこの場所に辿り着いた犬や猫も多く、片目を失った者、脚に障害を抱えている者、一日中怯えている者、かと思えば天真爛漫で無邪気な者、姿や様子はいろいろです。

けれど、彼らは決して悲劇の主人公を望んでいるわけではありません。ただ当たり前に一生懸命生きようとしているだけです。その証拠に、そこに「悲観的」なものをほとんど感じませんでした。

そしてなにより、彼らを支える熊本市動物愛護センターの職員の皆さんの健全で気高い心意気こそが、この場所を澄んだ気持ちの良い場所にしているのだと気付きました。

意外に思うでしょうが、「また行ってみたい」そう思える素敵な場所なのです。

 

 創り手とはとてもエゴイストで、こういった取材をすると「泪」や「かわいそう」を無意識に欲してしまいがちです。たしかに前回の取材の時は先入観も含め、自身そういう気持ちがどこかにあったことは否めません。

 

 今回、昨年の熊本地震を経た同センターが今どんな状況なのか、久しぶりに訪ねてみたい気持ちになり、6年ぶりに取材を申し込みました。

自分の気持ちが前回と大きく違うのは、けっして「悲観」や「悲劇」の取材ではなく、「希望」や「強さ」を求めに行ったことです。

 

 事実、熊本市動物愛護センターは昨年も保護犬殺処分ゼロを実現していました。そして、同センターの取り組みはこの数年で各地に拡がり、全国での殺処分頭数も10数万頭にまで減ったそうです。

 

 自分はこの企画を「感動ポルノ」に仕立て上げるつもりはありません。

否応なしに物語を背負って生きてきた彼らのその魅力的な“瞳”や“顔つき”を、彫刻家としてただただ欲し、記録したいと思ったのです。

 

 ご高覧いただけましたら幸いです。

 

 

彫刻家 大森暁生

 

 

 

 

取材協力

熊本市動物愛護センター

 

 

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大森暁生展

光たちの肖像

ー熊本市動物愛護センター2017年取材記録ー

会期:2017年8月16日(水)〜21日(月)

※16日(水)夕方、ささやかですがお飲み物をご用意してお待ちしております。

※最終日は午後5時閉場。

※22日(火)は三越定休日となります。最終日、お間違えのないようご注意ください。

会場:日本橋三越本店 本館6階 美術サロン

 

http://mitsukoshi.mistore.jp/store/nihombashi/index.html

 

 


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