創るのかぁ、、困った奴だ、、2018
July 3, 2018
昨年につづき今年も、談志師匠から直々に頂いた金言「創るのかぁ、、困った奴だ、、」手拭いつくりました。
制作に至るまでの熱いエピソードは昨年のブログをどうぞ。
http://akioohmori.com/voice/tsukurunokaa/
今年はグレーの地に墨黒文字、そしてロゴマークを朱、の3色染め。
実はこの配色、談志師匠のお別れ会の際にいただいた手拭いがこの3色染めで、それはそれは素晴らしかった。
なので今回のテーマはその手拭いへの”オマージュ”。
もちろん制作は談志師匠が生前贔屓にしていた戸田屋商店さんで”談志仕様”、そしてなにより談志師匠のご家族公認。
ただし性質上、販売は出来ませんので、今後ご縁のある方に差し上げたいと思っております。
談志師匠、則子さん、慎太郎さん、弓子さん、今年も夢の手拭いが染め上がりました。
どうもありがとうございます。
彫刻家 大森暁生
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「創るのかぁ・・困った奴だ・・どうにもならない。創意と心中してみるか、 立川談志」
銀座のTee Offで初めてプライベートの談志師匠にお会い出来る機会を頂き、緊張と興奮の中、何かにサインを頂こうと、彫刻刀をしまう長年愛用の道具箱を抱え、そして談志師匠にその薄汚れた道具箱とマジックペンを差し出し書いて頂いた言葉です。その時の、シャイで温かく優しいオーラは今でも忘れられません。生前、2003年のことでした。
毎日、彫刻をする叩き台の傍らにはこの言葉があり、惰性やマンネリに逃げようとする自分を戒めてくれます。
「命は大事にすると必ず一生もつ」は談志師匠の言葉。よし、命のかぎり彫刻と心中してみるかぁ。
彫刻家 大森暁生
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コラム Please do disturb
vol.32 「追悼 立川談志」前編
http://www.gei-shin.co.jp/comunity/06/32n.html
vol.33 「追悼 立川談志」後編
http://www.gei-shin.co.jp/comunity/06/33n.html
水野 暁 ーリアリティの在りか
June 29, 2018
昨日は高崎市美術館へ『水野 暁 ーリアリティの在りか』を観に。
水野くんのことは以前にもこのブログで触れているけれど、良き友人であり同世代の尊敬する作家のひとり。
今回の個展は、なんと美術館での開催。なにより一点一点途方もない時間のかかる水野くんの仕事をこれだけ一同に観られる機会はなかなか無い。
会場にはところどころに作家の言葉が掲示されていた。
驚いたのは口下手な水野くんが、文章になると実に言語明瞭かつ明解なこと。
それは相当に高い次元の事を語っているのだけれど、いわゆる作家文章にありがちな「鼻につく」感じが全く無くて、気持ちにスッと入ってくるのは彼の人柄ゆえだろう。
いわゆる昨今流行りの”写実”と彼が求める”リアリティ”との大きな違いについては、いままでになんども話しを聴いてきて、だいぶ理解してきたつもりだったけれど、今回ようやくちゃんと理解できた気がする。それがほんとうに彼が想う正解かどうかはわからないけれど。
それともうひとつ、今回の展示では作品制作までのルーツや物語がじつに丁寧に記されている。
創作には”ルーツ”と”ストーリー”が必要だということは誰よりも心掛けていたつもりだけれど、そこを真摯かつ丁寧に掘り下げる作業は、創作を生業にしてゆこうとすればするほど、ある程度の割り切りと合理性も受け入れてゆくことになる・・・と思っていた。
けれど、そこを真正面からぶつかっていく水野くんの姿勢と仕事を観て、そのあまりの愚直さと誠実さに脱帽した。
と同時に、まだまだ自分にも目指すべき大きな夢が見つかった想いがした。
そしてそれは極めて難しい夢だから、目指し叶えるべき”夢”としてふさわしい。
水野くんとも久しぶりにゆっくり話しが出来た。
話すと、あいかわらずボソボソモゴモゴ。。
そんな彼と同じ時代に作家として生きられて誇りに思う。
彫刻家 大森暁生
水野 暁 ーリアリティの在りか
会期:2018年4月15日(日)〜7月1日(日)
会場:高崎市美術館
http://www.city.takasaki.gunma.jp/docs/2018020600016/
水野 暁 Beyond-Madrid-Gunma-
http://akioohmori.com/voice/mizuno-akira-beyond-madrid-gunma/