49th
November 1, 2020
皆さま
先日10月28日の誕生日に際しましては、SNS等々沢山の温かいメッセージを頂きまして感激しております。
ありがとうございます。49歳になりました。
今年はこんな世情ゆえ、すっかりご無沙汰してしまっているかたばかり、喜びもひとしおです。
さて、今年の誕生日は朝から実家に立ち寄り、柿をもいでおりました。なんて書くとさぞかし立派なお庭のある日本家屋かなにかを想像するでしょうが、とんでもない、東京は豊島区大塚の小さなオンボロの一戸建てです。その一角に車1台がやっと入る駐車場があり(そこもいまは物置を建ててしまったので駐車場でもなくなり)その隅っこから建物と物置の隙間を縫うように息苦しそうに柿の木が一本生えているのです。
自分が小さい頃からあるのですっかり老木ですが、毎年のように鈴生りの甘い柿が実ります。
それを、すっかり老人になった80歳の母が枝落としをするのですから、手伝わないわけにいきません。脅迫のようなものです。
実家で少しのんびりしようかと思っていたのにまさかの朝からの労働、汗だくです。
まぁ、とはいえ自分も来年50歳、人生折り返し。小さい頃から共に育った柿の木と一緒に過ごす誕生日もわるくないかぁと、柄にもないことをしんみり想ったりなんかした一日でした。
49歳の一年も皆さま、宜しくお願い申し上げます。
2020.10.30
彫刻家 大森暁生
ルパンの娘
October 23, 2020
昨夜の 『ルパンの娘』 第2話、ご覧頂けましたでしょうか。
今週からは、Lの一族に盗まれてしまった大切な僕の作品を、毎週ごとにご紹介していきたいと思います。
すべての盗品はLの一族のアジト(メインセット)にあります。
まずはその中から最も目を引く正面背後にそびえる象、こちら 『ぬけない棘のエレファント』(1999)という作品です。
1999年の NICAF ’99 (現在の”アートフェア東京”の前身)に初めて出品しました。
自身、29歳のときの作品です。
当時は籔内佐斗司先生のアシスタントをさせていただきながら、自身の制作をなんとかかんとか両立させていた時期でした。
全くの無名の自分は、NICAF ’99 が開催される国際フォーラムで「一番目立ってやろう!」の思いひとつで、以前からいつかは取り組んでみたかった実物大の象の頭部を制作することを決意、1日15時間制作、正味約2ヶ月という短期間で彫り上げました。
自信満々に出品し、会場でもそれなりに目立っていたものの、結局どこのメディアにも取り上げられることなく、現実の厳しさにひどく落ち込んだのを覚えています。
けれど継続は力なり、その後この生業を続けているうちにこの 『ぬけない棘のエレファント』 も、新宿髙島屋のオープニングを飾らせていただいたり、日本橋三越の美術フロアに飾らせていただいたり、さらには全国あちこちの美術館にも飾らせていただいたりと、たくさんの親孝行をしてくれています。
そして今回、ついにLの一族にも目を付けられてしまったのです!
これからも沢山登場すると思いますので、ぜひご覧下さい。
そしていつか必ず取り返してみせます!
彫刻家 大森暁生
ルパンの娘
https://www.fujitv.co.jp/Lupin-no-musume2020/
ぬけない棘のエレファント
H255×W210×D205(cm)
楠、漆、彩色
1999
© AKIO OHMORI
最下段の画像のみ Photo:KATSURA ENDO