旭染工さん工場見学
June 18, 2020
毎夏恒例、談志師匠から頂いた金言を染めた「創るのかぁ、、困った奴だ、、」手拭いですが、今年も目下制作中です。
今回は、毎年制作をお願いしている戸田屋商店さん(日本橋掘留町)に無理をお願いしまして、以前から熱望していた染め工場見学の夢が叶い、先日工房一同でお邪魔してきました。
なんだか社会科見学みたいで楽しい楽しい♪
伺ったのは旭染工株式会社さん。
”注染”(ちゅうせん)と呼ばれる技法で染める工場は、東京ではもう四軒しか残っていないとのこと。
その貴重な技術を目の前で見せて頂けるわけです。
場所は東京の足立区花畑、綾瀬川を眺めるまさに下町らしいロケーション。
ウチの工房からもほどなく、なんとなくご近所な気分。
阿部晴吉社長みずからご案内くださり、各工程ごとに細かく説明をしてくださいました。
迷路のように入り組んだ年季の入った工場はどこを切り取っても美しくそしてかっこいい。
しかも各工程ごとに進んで行くと、どの工程でも今自分が注文している手拭いのまさにその作業場面が見られるように、工場全体、そして職人さんお一人お一人がばっちりタイムスケジュールを調整して下さっていて、もうそれが本当に感動。
しかも寡黙な職人さん達はそれを感じさせないようにただただ黙々と淡々とさりげなく。
この日は梅雨の合間の見事な快晴。
一通り染め工程を拝見し、工場建屋を出たときにはなんと頭上に鯉のぼりの如くたなびく自分の手拭いが。
どこまでも粋な計らいなのでした。
旭染工株式会社の阿部晴吉社長、株式会社戸田屋商店の風間勝己さん、お忙しい中お時間を頂き、貴重な体験をさせて頂きましてどうもありがとうございました。
職人さんは、ただただひたすらにかっこいいのだ。
彫刻家 大森暁生